見た目も良く、よく噛める総入れ歯にする特殊技術

総入れ歯を作る患者様で、不安になられる2パターンのケースがございます。

入れ歯の画像

① 重い歯周病で総入れ歯にこれからなるかもしれないがどうしたらいいのかわからない
② 今つけている総入れ歯でうまく噛めないでいる

総入れ歯に関する悩みは、ご年齢に関係なく若い方でも多くいらっしゃいます。

また、総入れ歯のことで悩まれている方には以下のようなお悩みがございます。

① 痛みがあり、総入れ歯を外して食事をしなければならない   (痛みの問題)
② 総入れ歯が外れてきて会話が楽しめない         (外れてしまう問題)
③ 総入れ歯を入れたら顔が老けた感じがする         (見た目の問題)
④ 今の歯がボロボロで次は総入れ歯をつけなければいけないと思うが、
誰にも相談できない (現在・将来への不安)

など

このようなお悩みを解決するためには、どのような総入れ歯がいいのかというお話を、前回のブログでお伝えしました。

参考:「快適な総入れ歯で楽しく過ごすために知っておくといい3つのポイント」
(リンク)

今回は上記に挙げさせていただいたお悩みに対し、どのような総入れ歯治療を当医院が採用しているのかをお伝えします。

     当医院の総入れ歯の3つのこだわり

入れ歯製作で“こだわりポイント”が3つございます。
① お口の中の型取りの方法
② 総入れ歯の形
③ 咬み合わせの器械を用いる

この3つのこだわりポイントを踏まえながら入れ歯治療を行っていくことで、より快適な総        入れ歯をしていくことができます。

     ① お口の中の型取りの方法への“こだわり”

入れ歯治療を行うときに大切なことの1つにお口の型取りがあります。

型取りを適切に行うことで、入れ歯の適正な形を把握することができ、さらには咬み合わせの器械を同時に用いることで咬み合わせを整えていくことができます。

つまり、“型取り”は快適な入れ歯の最初の出発点なのです。

当医院では、総入れ歯治療の出発点でもある型取りで“お口の中の全体の状態”を把握しております。

お口の中全体の状態を把握するというのは、お口の中を構成している部分(外側は頬や唇、  内側は歯肉や舌など)や、お口の中の空間を全て把握できる型取りをすることです。

総入れ歯治療をしていくのに、なぜお口の中全体を把握する必要があるのか。それはお口の周りの筋肉などが、総入れ歯の吸着に大きく関わっているからです。

詳しくは、「快適な総入れ歯で楽しく過ごすために知っておくといい3つのポイント」をご 覧ください。

また、全体の状態を把握した型取りを行うことで、頬や唇の型取りも同時に行えます。

そのため口元の膨らみであったり笑った時の歯の見え方であったりと、ある程度把握することができますので、顔のバランスに合うように口元をふっくらとさせて若々しく見えるようにすることもできるようになります。

当医院ではお口の中全体の状態を把握する型取りを採用しております。

    ② 総入れ歯の形への“こだわり”

お口の中全体を把握することで、お口の周りの筋肉と調和した入れ歯の形を決めることができます。
その入れ歯の形を考えたのがドイツのチュービンゲン大学のDr.シュトラックです。

Dr.シュトラックは総入れ歯の形は“お口の周りの筋肉と調和した形態”にするということを 1949年に提唱致しました。

入れ歯の画像(上)
                     上の総入れ歯
入れ歯の画像(下)
                     下の総入れ歯

当医院ではこのDr.シュトラックの提唱した入れ歯の形を採用しております。

     ③ 咬み合わせの器械を用いる“こだわり”

お口の周りの筋肉と調和させた入れ歯の形にすることはもちろん大切ですが、咬み合せを整えることもとても大切です。

適切な咬み合わせの入れ歯に作るためには咬み合わせの器械を用いることが重要なのです。

この器械を用いることで、見た目にもよく噛みやすい入れ歯となっていきます。

入れ歯器具の画像
    ※完成一歩手前のロウでできた入れ歯のため歯茎が赤くなっております

当医院ではドイツKaVo社で開発された咬み合わせの器械を採用しております。

以上、3つのポイントを最大限に反映した日本歯科大学元教授 稲葉繁先生が考案された
     “上下顎同時印象法による総入れ歯治療”を当医院で取り入れております。

当医院では、稲葉繁先生からこの治療法を学んでから20年以上も行っており、
おかげさまで多くの患者様に喜んでいただいております。

それでは、実際の上下顎同時印象方を用いた治療ステップについてお伝えします。

     《上下顎同時印象法による総入れ歯治療のステップ》

精密な型取りを開始する前に、抜歯がある場合はそちらの処置をさせていただきます。
また、既に抜歯して総入れ歯にしなければいけないと思われてご来院される方で、まだ歯を残してできるドイツ式入れ歯をお勧めさせて頂くことがございます。
上下総入れ歯ができる粘膜や骨の状態になりましたら、以下のステップで治療が開始されます。

     最短4回で総入れ歯の製作が可能です。

     1. 1回目の精密な型取り

人それぞれお口の中の粘膜や骨の残り方などの状態が異なっています。そのため、既成の型 取りをするトレーでは完全にお口の中の状態を取ることはできません。
そのため、オーダーメイドのトレーを製作するための型取りをまず始めに行います。

トレーの画像
                     上の型取り
トレーの画像(下)
                    下の型取り

この型取りで、患者様のお口の中の粘膜や骨の残り方などの状態にあった模型を製作します。同時に、その模型を咬み合わせの器械へと付けて、オーダーメイドのトレーを製作して       いきます。

入れ歯器具の画像
          上下顎同時印象をするための上下オーダーメイドのトレー

      2. 2回目の精密な型取り

2回目の精密な型取りで上下顎同時印象法を用います。

入れ歯器具の画像
      上と下の型取りを一度に行うことで、お口の中全体の状態が記録されます。

この記録をもとに、模型を製作していきます。

この型取りでは頬や唇や舌の型取りを行っているため、その模型も製作します。

そして、頬や唇や舌などと調和のとれた場所に総入れ歯を製作します。

入れ歯器具の画像

咬み合わせの器械に付けて総入れ歯を製作します。

入れ歯の画像(下)
下の総入れ歯:“グレーの舌の模型”と“真っ白の唇や頬の模型”の間に総入れ歯を製作します。

入れ歯の画像(上)

上の総入れ歯:“グレーの舌の模型”と“真っ白の唇や頬の模型”の間に総入れ歯を製作します。

このように製作することで、お口の周りの筋肉と調和した総入れ歯の形にしていくことが可 能になるのです。

     3.適合の確認

適合の画像

まだ完成ではありません。一度、ロウでつくられた総入れ歯を実際の患者様に合わせ、発音 や見た目、咬み合せなどを見ていきます。
今はまだ総入れ歯はロウでできているため写真では歯肉が赤く見えていますが、完成では歯 肉は綺麗なピンク色になります。

     4.総入れ歯完成

入れ歯の画像

以上のステップを踏んで総入れ歯は完成していきます。1つ1つのステップに意味があり、 総入れ歯の知識に裏打ちされた方法となっております。

咬み合せの器械と上下顎同時印象法で出来上がった総入れ歯はお口の筋肉に調和しつつ、咬 み合せの良い総入れ歯となります。

歯を全て失ってしまって、お友達と食べたりお話しすることを諦めてしまったりしていらっ  しゃる方は本当に多くいらっしゃいます。

ですが、全く諦める必要がありません。しっかりとした知識に裏付けされた総入れ歯治療をすることで、そのような方でもきちんとお食事をしたり、見た目を回復できたり、快適な生        活を取り戻すことができるようになるのです。

総入れ歯になり悩まれていることは、人それぞれ違うかと思います。若い方でも悩んでいる 方はいらっしゃいますので、総入れ歯のことは当医院にお気軽にご相談していいただければ        と思います。